井戸工事

掘削方法にはいくつかの種類があります。
当社では、掘削深度や適用地質等により

①ロータリー工法  ②パーカション工法  ③エアハンマ工法

を選択し、完成度の高い水井戸のさく井を行っています。
当社が行っている各工法の説明をします。

①パーカション工法 (Percussion)

この工法は比較的浅い井戸にも使用され、玉石層などに強い工法です。
櫓から下りているワイヤーロープの先端に重いビット(1.5t程度の掘削棒)を吊し、振幅0.5m程で上下させ、その打ち込む力で孔底の地層を突き崩しながら掘削していく工法です。
堀り屑が溜まって進行が低下すると、ビットを地上に引き揚げ、代わりにべーラーを孔底にワイヤーで降ろし掘り屑を浚い取ります(これをベーリングと言います)。
堀り進むにつれ、崩壊を防ぐために孔内に補泥(粘土で孔壁を保護します)していきます。
ビット->べーラー->補泥の手順を繰り返しながら堀り進みます。
そのため、ロータリー工法よりも掘削効率は悪いですが、1.0m程度毎に地質サンプル(スライム状となります)を把握できるため、完成度の高い井戸がさく井できます。
適用地質は未固結堆積層、軟岩層であり硬質岩盤には不適となります。
この工法の長所としては、比較的ツールが安いこと、地質サンプルが精度良く採取できること、泥水の管理は比較的簡単なこと、井戸仕上げは比較的容易なことが挙げられますが、固い地層には不向きなこと、掘削には熟練した技量が必要なこと、掘削中には水があるかどうかわからないこと、掘削中は泥水で汚れるなどの短所があります。

②ロータリー工法 (Rotary)

近年は主流の工法で、岩盤掘削や大深度までの掘削に向く工法です。
先端にトリコンビットと呼ばれる刃先を付け、それを回転させて地層を破砕しながら堀り進みます。
その際に刃先から泥水を噴射させビットを洗浄しながら堀削したり堀り屑を地上まで運び、それを地上部でふるいにかけて堀り屑と泥水に分別し、きれいになった泥水を再度循環させて掘り進みます。
孔壁の保護にはケーシングの挿入かベントナイトを使います。
主に岩盤掘削や大深度までの堀削に向いている工法です。
地質サンプルは把握できません。
適用地質は未固結堆積層から岩盤まで多様ですが、玉石層はやや掘削時間が長くなります。
この工法の長所としては、固い地層でも掘削可能(温泉掘削などでも使用される)で大深度でも掘削できますが、ビットが高価なこと、地質サンプルは循環型のためわかりずらいこと、泥水の管理が高度なこと、掘削中には水があるかどうかわからないなどの短所があります。

③エアハンマ工法 (Down The Hole)

空気圧を利用して、硬質岩盤や玉石等、他の工法が不得意とする地層を短時間で掘削します。
地すべり杭工法にも威力を発揮します。
本工法の正式名称は、ダウン・ザ・ホールパーカッションドリル工法、略してダウン・ザ・ホールハンマ工法(DTH工法)またはエアハンマ工法とも呼ばれます。
この工法は、孔底にビット及びパーカッションドリル(エアハンマ)で堀り管接続で降下し、圧縮空気による圧力及びハンマピストンの重量でビットに打撃を与え岩石を破砕掘削します。
コンプレッサーにて送り込まれた高圧で大風量のエアーはエアハンマを作動させた後、ビット先から噴出し、ビットを洗浄冷却しながら連続的に掘り屑を地上に搬出する工法です。
地質サンプルは粉末状となり把握が困難です。
掘削深度は100m程度が目安であり、大深度の堀削は困難となります。
適用地質はすべての岩盤岩盤(軟岩~極硬岩)であり、未固結堆積層や崩壊層には不適となります。
この工法の長所としては、他の工法に比べ掘削速度が最も速いこと、地下水に当たると水が吹き上げてくるので、水のありかが掘削中にわかること、ケーシング工法(スクリーン位置はあらかじめ決める)のため井戸仕上げは不要なことが挙げられますが、大型のコンプレッサーと建柱車が必要なこと、粘土層では打撃が弱くなるなどの短所があります。