地質調査

当社の行っている地質調査について説明します。

(1)地質調査とは
まず、地質調査とはどんなことをするかというと、
ある地域に分布する地層や、岩石の種類、それらの相互の関係を調べることを言います。
調査の規模は一定ではありませんが、露頭の調査(地表地質踏査)、ボーリングあるいはサウンディング(標準貫入試験など)を主体に行います。
調査範囲が広い場合には、物理地下探査法(弾性波探査や電気探査等)などを併用します。
地質の調査項目は、土層の深さ、厚さ、構成、地下水面の位置、岩盤までの深さ、岩質などです。

(2)地質調査の種類

①地表地質踏査
現地にて熟練した地質調査技士が、直接、道路・河床・沢沿いの露頭や地形など観察し、地層分布や地質構造さらに地山の安定性、地表水・地下水の状況などの広範な地質に関する諸情報を明らかにする調査です。
地表地質踏査の結果は、得られた諸情報を地形図上に表現した地質平面図と断面上に表現した地質断面図として集約されます。

②調査ボーリング
地質を確認するボーリングを調査ボーリングと言い、調査ボーリングには、ロータリー式油圧型ボーリングマシンを使用します。
一般的に口径はφ66mmで、コアチューブ(シングル・ダブル)の先端にビット(メタル・ダイヤモンドモンド)を装着して、コアを採取しながら掘進します。
コアを採取した後、掘った穴を保護するために、ケーシングパイプを挿入し、さらに掘進を続けます。
採取したボーリングコアは、コア箱(木製)にならべて撮影を行いコア写真として整理します。
また、コアを詳細に観察し、柱状図として取りまとめます。

③標準貫入試験
調査ボーリングには、ほとんどの場合標準貫入試験(JIS A 1219)を行っています。
標準貫入試験は、原位置における地盤の硬軟,締まり具合,又は土層の構成を判定するためのN値を求めるとともに、試料を採取する試験です。
質量63.5±0.5kgのドライブハンマー(モンケン)を76±1cmの高さから自由落下させて、ボーリングロッド頭部に取り付けたノッキングブロックを打撃し、ロッド先端に取り付けた標準貫入試験用サンプラーを地盤に貫入させるものです。
この時に得られるN値とは、このサンプラーを地盤に30cm貫入させるのに必要な打撃回数のことです。
例えば、ドライブハンマーを10回自由落下させて30cm貫入した場合、N値=10となります。
N値は、これまでに蓄積されたデータを基に、各種の換算式が提案されており、諸定数(粘着力・内部摩擦角等)の設定や支持力の算定など、様々な場面で利用されています。

④現場透水試験
現場透水試験は、ボーリング孔を利用した試験方法のひとつで、地盤の透水性を把握することを目的とし、この試験から透水係数kが求められます。
試験方法には、定常法と非定常法のふたつがあり、地盤の透水性によって使い分けられます。
定常法は、揚水または注水して、測定用パイプ内の水位が一定になったときの流量を測定して、地盤の透水係数を求める方法です。
また、非定常法は、測定用パイプ内の水位を一時的に低下(回復法)または上昇(注水法)させ、平衡状態に戻る時の水位変化を経時的に測定して、地盤の透水係数を求める方法です。

⑤孔内水平載荷試験
孔内水平載荷試験は、ボーリング孔を利用した試験方法のひとつで、ボーリング孔壁を加圧することによって、地盤の変形係数、降伏圧力および極限圧力を求めることを目的としたものです。
測定方法は、ゾンデと呼ばれるゴムチューブからなる測定管を試験深度の中心にセットし、ゾンデの加圧媒体である水を窒素ガスにより加圧注入させ、膨張させるものです。 
このときの加圧量は圧力計で、変形量はスタンドパイプの読みによって測定します。
載荷は時間-荷重制御法により行い、加圧ステップは土質に応じて定めます。
試験の種類は、LLT法、KKT法、プレシオメータ、エラストメータ等あり、未固結地盤か岩盤かで使い分けています。

⑥サンプリング(乱れの少ない試料採取) 
乱れの少ない試料採取は、構造物の設計や各種の検討に必要な力学的定数を求めるために行われるもので、採取した試料は室内試験に供されます。
シンウォールサンプリングは、軟らかい粘性土や細粒分を含む緩い砂質土地盤にサンプリングチューブを静的に押し込み、できるだけ原位置に近い状態で試料を採取する方法です。
適用できる硬さや締まり具合の目安は、粘性土でN値0~4程度、砂質土でN値0~8程度とされています(採取した試料の例)。
サンプラーの種類には、エキステンションロッド式と水圧式の2種類があります。
このほか、多種の土質及びN値に対応して乱れの少ない試料を採取する方法として、二重管,三重管サンプラーを使用する方法、地盤を凍結させて採取する凍結サンプリング、手掘りにより直接試料を切り出すブロックサンプリングといった方法もあります。